大学卒業後、1年間派遣社員でお金を貯金し、3か月の予定でイギリスに渡った
結果、3年間滞在
3年間もいれば、色々な体験をする
今日は、その中でも印象に残っている恐怖体験を1つ
あるぽかぽか陽気の日曜日の昼間、私は映画”ノッティングヒルの恋人”の撮影場所にもなった”ポートベロー・マーケット”が開かれる通りにあるPUB(お酒や食事を楽しむ場所)でイギリスの友人と食事を楽しんでいた
その日、PUBでは、優雅にも生演奏があり、とてもいい雰囲気が漂っていて、その後に起こる事など全く予期していなかった
食事やお酒を飲みながら、どれくらいの時間が経ったかは覚えていない
ただ、カウンターでスタッフの女性と男性客が何やら話しているのは横目に見えていた
数分後、突然、その男性客が大声で叫び出した
とても早口で私は理解出来なかったけど、怒っているのはわかった
よくみると、男性客の顔や腕には遠目にわかる傷跡が幾つもあった
PUBの店内には生演奏のスタッフも合わせて20人くらい
生演奏もぴたっと止み、店内は静まり返り、誰も身動きが取れなくなった
私はよりによって、入口から1番遠い奥の席に座っていて、一瞬で恐怖に包まれた
友人に「どうしよう、凄く怖い」と小さな声で呟き、生きた心地がしなかった
次の瞬間、男性はガラス製の大きな灰皿を後方の壁に向かって投げつけた
私の近くで灰皿は粉々に割れた
体が大きな男性客も何人もいたけど、誰も動けなかった
沈黙と男性の怒鳴り声が交互に20分間くらい続き、突然男性は何か言い残しPUBを走って出ていった
出て行った瞬間、友人に何と言っていたか尋ねると、「今から銃を持ってきて皆殺しにしてやる」と言い残したという
私はすぐさま店を出て、徒歩圏内にある友人の家に駆け込んで話を聞いてもらった
数十分後、店の近くで男性が、複数の警察官に取り押さえられているのを見てホッとした
男性は店のトイレで全裸になったのを店員さんから注意され逆上したとのことだった
あんなに平和な昼下がりに、怖い体験をするとは思ってもいなかった
無事だったことに心から感謝
お題「これまで生きてきて「死ぬかと思った」瞬間はありますか?身体的なものでも精神的なものでも」